建設業許認可・資金調達専門 行政書士西内佳彦事務所|西宮・尼崎・阪神地区

建設業許可から資金調達まで、兵庫県西宮市及び尼崎市、芦屋市等阪神地域を中心に兵庫県、大阪府全域で対応いたします。

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建設業許可に関するQ&A
 

まずは建設業許可を得るための6要件とは?

分かり易く簡単に説明しますと

1.経営業務の管理責任者がいるか

2.専任技術者が営業所ごとにいるか

3.請負契約に関して誠実であるか

4.財産的基礎(または金銭的な信用力)があるか

5.建設業法における欠格要件にあてはまらないか

6.適正な社会保険に加入しているか

以上の要件が揃えば許可は取れます。

もう少し詳しく知りたいと思われたら、

お問合せフォーム または☎0798-61-2935までお問合せ下さい

【目次】
Q1.建設業に関しての営業所とは?
Q2.建設業許可申請の流れ?
Q3.建設業許可が無くても請け負える附帯工事とは?
Q4.健康保険等の加入確認書類とは?
Q5.経営業務の管理責任者と専任技術者は兼務ができるの?
Q6.その業務は建設業許可だけでだいじょうぶ?
Q7.財産的基礎の基準が満たされなくなったけど許可は取消されるの?
Q8.決算の変更届を提出するのを忘れたけどどうなの?
Q9.一人親方が建設業許可を取る要件は?
Q10.リフォーム工事に建設業許可は必要?
Q11.許可後に変更事項ができたけどどうすればいいの?
Q12.受注した建築一式工事に許可を受けていない塗装、電気の専門工事が含まれていま
    す。この業種の施工はどのようにすればいいの?

Q13.指定建設業とは?
Q14.建設業者の出来高融資制度とは?
Q15.下請建設企業・建設資材販売業者への下請債権保全支援事業とは?
Q16.建設資材の調達の契約も営業所で行わねばなりませんか?
Q17.決算変更届に必要な書類は何?
Q18.建設業許可の更新で「有効期限の30日前」が過ぎたけれども大丈夫?
Q19.オペレーター付リース契約は建設工事になるの?
Q20.許可の申請手数料はいくら?
Q21.経営業務の管理責任者に準ずる地位とは?
Q22.建設業許可と請負金額500万円の関係は?
Q23.専任技術者の実務経験とは?
Q24.他社の役員になっている人を経営業務の管理責任者することはできるの?
Q25.建設業法上の「営業所」としての要件は?
Q26.財産的基礎又は金銭的信用の500万円以上とは?

Q1.建設業許可に関しての営業所とは?

建設業許可の区分で大臣許可と知事許可とがありますが、それぞれ営業所を設ける際の基準が異なります。
    大臣許可      2つ以上の都道府県の区域内営業所を設けて営業しようとする場合
知事許可 1つの都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合

ではどのようなものを営業所というのでしょうか。
営業所とは本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことを言います。しかし大きな意味での請負契約であり、実際は請負契約の見積り、入札、契約締結等請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所をいいます。
営業所であるか、そうでないかはその実体で判断します。そして支社、支店、出張所、事務所、工場等の営業所以外の名称が使われていましても常時、建設工事の請負契約を締結する事務所であれば営業所とみなします。

具体的には以下のポイントで判断します。
・建設工事の請負契約締結等の実体的業務を行っている
・建設業の営業を行うべき場所を有し、電話・机等を備えている
・経営業務の管理責任者または令3条に規定する使用人が常勤している
・専任技術者が常勤している
等になります。
次に注意することは
1.許可を受けた業種について軽微な建設工事のみ行う営業所についても営業所に該当し、  この営業所が主たる営業所の所在する都道府県外の区域内に設けられている場合は大臣 
の必要となります。

2.大臣許可と知事許可の違いは、営業所の所在地で区分されるものであり営業する区域ま 
たは建設工事を施工する区域で判断されるものではありません。たとえば兵庫県知事の許可だけを受けていても建設工事の施工は全国どこでも行うことができます。
 

Q2.建設業許可申請の流れ及び許可までに要する日数は?
 

建設業許可申請の流れ
建設業許可の申請書提出先は知事許可と大臣許可とは異なります。
知事許可つまり営業所が同一都道府県内のみに所在する場合。
大臣許可つまり営業所が2つ以上の都道府県にまたがって所在する場合です。
知事許可は兵庫県の場合は各県民局及び県民センターの土木事務所で、大阪府の場合は近畿地方整備局となります。
       
お客からヒヤリングのうえ許可要件を確認              
                  
   必要書類の整備              
                  
書類を窓口に申請              
登録免許税・手数料の納付
                  
      審査              
                  
      許可              
許可までに要する日数
提出先の繁忙状況により一概に言えませんが、
知事許可の場合、1ヶ月から2ヶ月
大臣許可の場合、3ヶ月から4ヶ月です。
ただしこれはあくまでも種類が受理されてからの日数です。許可申請に必要な書類が不備なくそろっている必要があります。
        
            
 

Q3.建設業許可を受けなくても請け負える附帯工事とは?

建設業許可を受けなくても請け負える工事は「軽微な建設工事」と「附帯工事」の2つがあります。では具体的にはどのような工事をいうのでしょうか。

許可のある建設工事の施工に際し、その工事に従として附帯する他の建設業に係る建設工事があるときは、その附帯工事に建設業の許可がなく、かつ軽微な建設工事でなくても許可を受けた主たる建設工事とあわせてその附帯工事を請負うことができます。

建設業許可事務ガイドラインにおいて「附帯工事の具体的な判断に当たっては、建設工事の注文者の利便、建設工事の請負契約の慣行等を基準とし、当該建設工事の準備、実施、仕上げ等に当たり一連又は一体の工事として施工することが必要又は相当と認められるか否かを総合的に検討する。」とありますが、つまり建設業許可を受けて行う主たる建設工事を施工するため、どうしても切り離すことができない建設工事であるかを総合的に判断するということです。

しかし500万円以上の附帯工事を実際に施工する場合には、その附帯工事に係る建設業の許可を受けた建設業者に下請けに出すか、自分で施工するなら、その業種の許可を受けるために必要な技術者を置いて施工させなければなりません。(法26条の2第2項)
 

Q4.健康保険等の加入確認書類とは?

平成24年11月より建設業許可申請の際に「健康保険等の加入状況」の提出が必要となっていましたが、令和2年10月より建設業許可の要件の一つとなりました。

具体的に兵庫県の場合は以下の通りです。

健康保険及び厚生年金
・申請時直前の保険料納入の「領収書」の写し
・申請時直前の保険料納入の「納入証明(確認)書」の原本
・申請時直近の「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知  書」の写し
(注)法人及び従業員が常時5人以上の個人事業主で健康保険について全国土木建築国民 
健康保険組合、兵庫県建設国民健康保険(建設国保)等に加入の場合は、健康保険の被保険者となるべき者の国民健康保険の被保険者証の写し、又は加入証明書の原本が必要です。
雇用保険
・申請時直前の「労働保険概算・確定保険料申告書」の控え及び保険料納入の「領収済通 
 知書」の写し
                      出所  兵庫県建設業室 令和2年10月 
                      健康保険等の加入確認書類等について

Q5.経営業務の管理責任者と専任技術者は兼務ができるの?

結論から言いますとできます

経営業務の管理責任者も専任技術者も建設業の許可要件で営業所に常勤することが求められます。異なる営業所となると常勤性があるとは言えません。
つまり同一の営業所内で常勤している限り兼務は認められます。

しかし、例えば専任技術者が宅地建物取引士の資格を有していて専任の取引主任者となる場合、宅建業法により常勤性と専従性を求められるため他の専任制を要する業務について
は兼務することはできないと言えます。

建設業許可の要件に加え、他の業務を行う場合はその業務の要件も充足するか確認する必要があります

Q6.その業務は建設業許可だけでだいじょうぶ?

建設業許可がだけをとっていても、また建設業の許可が必要でない工事であっても、他の法律により登録や届出等が必な場合がありますので注意が必要です。

1.解体工事業
請負金額にかかわらず解体工事業の登録が必要です。(建設リサイクル法)ただし、「土木工事業」「建築工事業」「解体工事業」のいずれかの許可を受けている場合は、登録は不要です。

2.電気工事業
電気工事を自ら施工し電気工事業を営むものは、経済産業大臣又は都道府県知事に登録の手続きが必要です。(電気工事業の業務の適正化に関する法律)

3.浄化槽工事業
請負金額にかかわらず浄化槽工事業の登録が必要です。(浄化槽法)

Q7.財産的基礎の基準が満たされなくなったけど許可は取消されるの?

取消されません。

建設業許可の要件として「財産的基礎又は金銭的信用があること」があります。この要件は一般建設業と特定建設業とで異なります。

一般建設業
次のいずれかに該当すること
①自己資金の額が500万円以上であること
②500万円以上の資金を調達する能力を有すること
③許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績があること

特定建設業
次のすべてに該当すること
①欠損の額が資本金の額の20%を超えていること
②流動比率が75%以上であること
③資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資金の額が4,000万円以上であること
 
この基準に適合しているかどうかの判断は原則として、既存の企業にあっては申請時の直前の決算期における財務諸表により、新規設立の企業にあっては創業時における財務諸表
上、資本金の額に関する基準を満たさないが、申請日までに増資を行うことによって基準を満たすこととなった場合は、特定建設業における*「資本金」については、この基準を満たしているものとして取扱うこととなっています。

*「資本金」とは法人にあっては株式会社の払込資本金、持ち分会社等の出資金額、個人
にあっては期首資本金をいいます。
                   出所「建設業許可事務ガイドラインについて」

また、一般建設業の「更新」の場合は5年間継続して営業した実績があるのですべて③の要件に該当します。
 

Q8.決算の変更届を提出することを忘れたけどどうなの?

決算の変更届とは建設業許可を取得している事業者が1年間の工事実績や決算内容を毎年監督官庁に提出しなければならないものです。

提出期限
事業年度終了の日から4ヶ月以内

提出を忘れてしまっていたら

建設業許可の更新や業種の追加申請ができません。
建設業法50条「6ヶ月以下の懲役又は百万円以下の罰金」の罰則規定があります。

5年間まとめての申告は?
次の更新時にまとめて受け付けてもらえますが提出書類で建設業法で定められた様式での財務諸表や工事経歴書等の作成に時間を要すものもあります。そして許可の有効期限に間に合わなければ失効となったり、追加申請ができなくなります。

信用問題
決算の変更届は請求すれば閲覧することができます。つまり継続的に取引がある業者や新たに取引しようとしている業者が内容を確認することができるのです。もし決算の変更届が未提出ならば、その内容を確認することができず、法律すら守れない業者であると烙印を押され、信用は大きく失墜することになるので注意が必要です。
 

Q9.一人親方が建設業許可をとる要件は?

まず建設業許可を取得するには以下の6要件があります。
1.経営業務の管理責任者がいること
2.専任技術者がいること
3.誠実性があること
4.財産的基礎があること
5.欠格要件に該当しないこと
6.社会保険に加入していること
詳細はサイドメニューで説明していますが、ポイントとなるのは
1.経営業務の管理責任者がいること
2.専任技術者がいること
の2つになります。
今回の説明はあくまで一人親方が一般建設業の許可を取得する場合であり、経営業務の管理責任者に役員を補助する者の配置を要するケースは除きます。

経営業務の管理責任者としての要件は次のいずれか
・建設業に関し、経営業務を管理した経験5年以上
・建設業に関し、経営業務を管理する者に準ずる地位(正式に権限移譲があること)にあ 
る者として5年以上
・建設業に関し、経営業務を管理する者に準ずる地位(経営業務のの管理者を補佐する業  務に従事)にある者として6年以上

専任技術者しての資格要件として次のいずれか
・学校卒業(指定学科あり)+実務経験
高校卒業+実務経験5年以上
大学又は高専卒業+実務経験3年以上
・実務経験10年以上

(注)実務経験の期間は具体的に建設工事に携わった1業種での実務経験で、当該建設工事に係る経験期間を積み上げた合計期間。複数業種で経験期間が重複することはありません。解体工事業については一部例外があります。

・国家資格の保有
一,二級建築施工管理技士、一,二級土木施工管理技士等。詳細は技術者の資格(資格・  
免許およびコード番号)区分表をご参照。

以上、経営業務の管理責任者と専任技術者の両方の要件を満たせば許可取得に大きく前進できます。

しかし、建設工事の許可業者は6つの許可要件に加えて工事現場に技術者を配置しなければなりません。(建設業法第26条)

営業所に常勤しなければならない専任技術者である一人親方が工事現場において主任技術者として兼任することは可能でしょうか。

公共工事においての現場技術者の専任については以下の通りとなります。

公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で、工事一件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は 8,000万円)以上のものについては、工事の安全かつ適正な施工を確保するために、工事現場ごとに専任の技術者を置かなければなりません。(建設業法第26条第3項) 
「専任」とは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的に当該工事現場に係る職務にのみ従事していることをいいます。 (監理技術者制度運用マニュアル 三) 
とあります。

しかしながら、例外的に、上記以外の工事(工事一件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)未満)であって、下記の全ての要件を満たした場合は、現場の技術者を兼務することができます。
*令和5年1月1日改正

① 当該営業所で契約締結した建設工事で、

② 工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接し、

③ 当該営業所と常時連絡が取れる状態である場合 ※ 携帯電話等により常時連絡が取れる市内全域の工事現場とします。  (監理技術者制度運用マニュアル 二-二(5))


自治体によって要件が異なっている場合がありますので事前確認が必要となります。








 

Q10.リフォーム工事に建設業許可は必要なの?
 

リフォーム工事でも以下の場合許可は不要です。
・請負金額が500万未満の軽微な建設工事
・附帯工事(主たる建設工事を施工するために必要な他の従たる建設工事であって、その附帯
 工事は、500万円以上であっても無許可で請負うことができます)

そもそもリフォーム工事とはどういう工事なのでしょう。
リフォーム工事とは、既存既存の建物、設備の改装や改築を行う工事であります。規模は様々で建設業許可の29業種の中には含まれません。

それならば、建設工事一式をとればと思われますが、建築工事一式とは「元請の立場で総合的にマネージメントする建設業者が請負う、大規模かつ複雑で専門工事では施工困難な建設工事」であり要件が異なってきます。

大体の住宅リフォーム工事においては壁紙・天井・のクロス張替等内装仕上工事に該当するでしょう。そして附帯工事としてキッチンや浴室の水回り設備の関係であれば管工事。コンセントの移設ならば電気工事((注)別途、電気工事士や電気工事業の資格・登録が必要)。
しかしエクステリア工事では外壁の工事や門扉の設置工事ならとび・土木工事。
外壁の塗装工事ならば塗装工事業と「リフォーム工事」といってもその内容は多種多様であるため、一概にこの業種に当てはまりますといえるものではなく業種判断は難しいため業務の内容をよく検討しなければなりません。

そして重要なポイントは、信用の問題です
技術力、モラルの低い工事業者によるずさんな手抜き工事等行う悪徳業者によりリフォーム業者に対するお客様の見方は厳しくなっています。
現在では「住宅リフォーム事業者団体登録制度」があり消費者が安心して住宅リフォームを行うことができる環境を図るため、国土交通省において住宅リフォーム事業者の団体を登録する制度があります。

キチンと許可をとっていれば無許可業者の差別化が図られ、また発注先がリフォームのローンを組む際には銀行融資の審査上重要なチェックポイントとなることもあります。
 

Q11.許可後に変更事項ができたけどどうすればいいの?

許可を受けた後に商号又は名称、営業所の名称及び所在地、資本金額、経営業務の管理責任者、専任技術者等に編子があったとき、毎事業年度が終了したときは変更届出書を提出しなければなりません。(建設業法出第11条)

提出先
・大臣許可  国土交通省近畿地方整備局(県庁経由せず)
・知事    県土木事務所

変更事由及び提出期限(兵庫県知事許可業者の場合)
  変更事由 提出期限
1 常勤役員等又は常勤役員等を直接補佐する者に変更又はその氏名に変更があったとき 事実の発生から2週間以内
2 専任技術者に変更等又はその氏名に変更があったとき 事実の発生から2週間以内
3 令第3条の使用人(営業所長)に変更があったとき 事実の発生から2週間以内
4 常勤役員等又は常勤役員等を直接補佐する者及び専任技術者が欠けた場合 事実の発生から2週間以内
5 欠格要件に該当することとなった者があったとき 事実の発生から2週間以内
6 商号又は名称に変更があったとき 事実の発生から30日以内
7 既存の営業所の名称、所在地又は業種に変更があったとき 事実の発生から30日以内
8 資本金額(出資総額)に変更があったとき 事実の発生から30日以内
9 役員等(法人の役員、顧問、相談役又は総株主の議決権の100分の5以上を有する株主若しくは出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者)に変更があったとき 事実の発生から30日以内*株主等に変更があった場合には、変更を察知してから30日以内
10 個人の事業主、支配人又は法人の役員等の氏名に変更があったとき 事実の発生から30日以内
11 支配人に変更があったとき 事実の発生から30日以内
12 毎事業年度(決算期)を経過したとき(決算の変更届) 毎事業年度終了後4ヶ月以内
13 使用人数に変更があったとき 毎事業年度終了後4ヶ月以内
14 令第3条の使用人(営業所長)の一覧表に変更があったとき 毎事業年度終了後4ヶ月以内
15 定款に変更があったとき 毎事業年度終了後4ヶ月以内
16 健康保険等の加入状況に変更があったとき 毎事業年度終了後4ヶ月以内
                出所 兵庫県県土整備部 建設業許可申請等の手引
 

Q12.受注した建築一式工事に許可を受けていない塗装、電気の専門工事が含まれています。この建築工事の施工はどうすればいいの?

建設工事を請負う場合、それぞれの業種に応じて許可を取得する必要があります。建築一式工事の許可を取得している業者が一式工事で請負う際、塗装工事や電気工事の許可を取得していないときはどうすればいいのでしょう。
建築工事一式の許可を受けているから建築工事が何でもできると思われがちですが、建築一式工事と土木一式工事の2業種と他の27業種は全く別の許可業種になります。一式工事とは大規模または施工内容が複雑な工事を原則として、元請業者の立場で総合的にマネージメントする事業者向けの許可といえます。
つまり建築一式工事の許可を取得している業者が塗装、電気の専門の工事を行う場合は専門工事として塗装工事、電気工事の許可を取得する必要があります。
ただし一式工事の許可を受けている元請業者の従業員に専門工事の*主任技術者の資格を持っている方(専門技術者)がいれば、工事現場に配置することでその専門工事の許可取得していなくても工事はできます。
*主任技術者の資格 塗装工事であれば1級建築施工管理技士、電気工事であれば1級(特定),2級(一般)電気工事施工管理技士

Q13.指定建設業とは?

以下の7業種について「指定建設業」とされ、専任技術者の資格要件が厳しくなっているものです。
1.土木工事業
2.建築工事業
3.管工事業
4.鋼構造物工事業
5.舗装工事業
6.電気工事業
7.造園工事業

まず、一般建設業と特定建設業における専任技術者の要件を見ていきましょう。
一般建設業における4つの専任技術者要件
・.指定学科卒業後に一定以上の実務経験
・10年以上の実務経験
・該当する資格や検定を取得している
・その他国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

特定建設業における3つの専任技術者要件
・該当する資格を取得している
・一般建設業の要件に加え、元請として4,500万円(消費税を含む)以上の工事に関し、
 2年以上の指導監督的な実務経験
・国土交通大臣が同等以上と認めたもの

以上の通り実務経験のみでもなれますが、この実務経験だけではなれず1級などの一定の国家資格を保有する専任技術者いることが要件となるのが特定建設業における7つの業種となります。
これは総合的な施工技術を必要とすることや社会的責任が大きいことなどから、要件が厳しくなっているものです。

 

Q14.建設業者の出来高融資制度とは?

中小・中堅建設企業を対象とする工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度で国土交通省の公的な制度です。種類としては以下の2つです。
・下請セーフティネット債務保証
・地域建設業経営強化融資制度

出来高融資制度の仕組み

1.元請建設企業が発注者(国や地方公共団体)に工事代金債権の譲渡承諾を申請しその承
 諾を得る。

2.元請建設企業が融資事業者(大阪府・兵庫県・和歌山県では阪神建設業協同組合、西日 
 本では㈱建設総合サービス)に工事代金債権の譲渡・融資申込を行う。

3.工事出来高の範囲内で融資。

4.融資事業者が行う転貸融資資金の借入に対し債務保証を一般財団法人建設業振興基金が
 行う。

特徴
1.工事出来高に応じて融資が受けられる。

2.一般財団法人建設業振興基金による債務保証により融資は無担保・無保証人となる。
 低金利で工事出来高査定後概ね2週間以内での融資となります。

3.本件による借入金は経営事項審査における「負債回転期間」の負債合計金額から除外さ
 れるのでY評点のアップが図れる。

2種類の出来高融資制度の比較
注)申込にあたり審査があるため期待に添えないケースがあります。
  下請セーフティーネット債務保証 地域建設業経営強化融資制度
取扱融資事業者 協同組合 協同組合、民間企業
対象者 資本金20億円以下または従業員
1,500人以下の建設企業
 
同左
対象工事 国・地方公共団体等の発注する工事で債権譲渡がみとめられているもの。
公共性のある一定の民間工事(電気・ガス・
鉄道・電気通信・社会福祉事業・教育・医療事業等)
(一財)建設業振興基金が認めた施設
の工事
国とすべての都道府県・政令指定都市
、多くの市長村が債権譲渡を認めています。

      同左
 
適応要件 対象となる工事の出来高が前払金
を超えた時点から利用可能
対象となる工事の出来高が前払金を超え、
かつ全体の50%を超えた時点から利用可能
融資範囲 出来高の範囲内で融資を
受けられる。
      同左
下請保護方策 「下請人等への支払い計画」を債権譲渡先
に提出
      同左
引用 (一財)建設業振興基金 工事請負代金債権の譲渡を活用した出来高融資制度
    リーフレット
 

Q15.下請建設企業・建設資材販売業者への下請債権保全支援事業とは?

下請建設企業や建設資材販売企業が元請建設企業に対して有する工事請負代金や資材代金の債権(手形を含む)の支払いをファクタリング会社が保証し、下請債権等を保全する制度で、下請建設企業や建設資材販売業者を守るため国土交通省が創設した制度です。

下請債権保全支援事業の仕組み
1.下請建設企業や建設資材販売業者が元請建設企業より受注し、工事施工・資材提供をする
2.元請建設企業への債権の保全のためファクタリング会社へ保証料を支払う
3.ファクタリング会社は元請建設企業への債権を保証

利用メリット
・ファクタリング会社への保証料は国(建設業振興基金)から助成(保証料率の1/3、年率1.5%が上限)されます。
・元請建設企業に知られることなく個別に手形・請求書1枚に対しても保証を掛けることができます。
・ファクタリング会社をいえば高金利等一般的に良いイメージがないかもしれませんが
SMBCファイナンスサービス㈱、みずほファクター㈱、三菱UFJファクター㈱、りそな決済サービス㈱、㈱建設総合サービス等で、メガバンク系列や建設会社専門のファクタリング会社となっています。

引用 (一財)建設業振興基金 金融・経理支援センター金融支援課発行リーフレット
 

Q16.建築資材の調達の契約も営業所で行わねばなりませんか?

登録された営業所でなくても契約はできます。

建設業法でいう営業所とは、常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことです。
また請負契約とは、契約そのものではなく見積り、入札など請負契約の実体的な行為も
含まれます。
つまり登録された営業所以外の場所で請負契約を締結することはできません。

では建築資材を調達するための契約はどうでしょうか?
建築資材の調達契約は入札、見積りなどの請負契約の実体的な行為ではありませんので営業所でなくても資材調達の契約は営業所以外でも契約はできます。

ただし、その内容が実質的に報酬を得て建設工事の完成することを目的とした契約となっている場合は、建設工事の請負契約とみなされる(建設業法第24条)ので注意が必要です。

Q17.決算変更届に必要な書類は何?

建設業許可において変更事項が発生するとその都度、変更届を期限内に提出しなければなりません。
例えば決算の変更届は毎事業年度の終了後4ヶ月以内となります。
では具体的にどのような書類が必要となるのか見ていきましょう。

1.変更届出書
2.工事経歴書
3.直前3年の各事業年度における工事施工金額
〈法人の場合〉
貸借対照表
損益計算書
成工事原価報告書
株主資本等変動計算書
注記表
付属明細表*
*付属明細表は資本金の額が1億円超であるもの又は最終事業年度の貸借対照表     
負債の合計額が200億円以上である株式会社の場合に提出が必要。
事業報告書
事業税の納税証明書
 
〈個人の場合〉
貸借対照表
損益計算書
  
注)貸借対照表、損益計算書は単に税理士さんが作製したものでなく、建設業簿記の様式に則り作成しまければなりません。








 

Q18.建設業許可の更新で「有効期限の30日前」が過ぎたけれども大丈夫?

建設業の許可を受けている場合、その有効期限は許可のあった日から5年目の応答日の前日をもって満了となります。

そして引続き建設業の許可を受けようとする場合、有効期限の満了日の3ヶ月前から30日前までに更新の手続きをしなければなりません。

注)満了日が土日祝であっても、許可更新の手続きはその日から30日前迄に受付がなされる必要があります。

しかし実務上は有効期限の満了日まで受付はされます。
そして許可の更新手続きをしていれば有効期間の満了後であっても新たな許可がおりる
まではその前の許可が有効となります。


そして1日でも有効期限が過ぎると新規の取得が必要となります。
そのような事態になると一般建設業の場合の許可要件の1つである「財産的基礎又は金銭的信用があること」のなかの1つで「許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して
営業した実績を有すること」の要件は認められず

①自己資本の額が500万円以上
②500万円以上の資金を調達する能力を有すること
のいずれかを満たさなければなりませんので注意が必要です。


 

Q19.オペレーター付リース契約は建設工事になるの?

建設機械のリース契約でオペレーター付で機械操作を含むものは建設工事の完成を目的とするものとみなされ建設工事の請負契約となります。

建設業法第24条では建設工事の請負契約について「委託その他いかなる名義をもってするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負

契約とみなして、この法律の規定を適用する。」とあり、契約の名称がリース契約であっても請負契約に該当する可能性があります。

また建設機械のオペレーター付リース契約は労働者派遣法で禁止されている建設業務への労働者派遣に該当する可能性があるため建設業法に基づく請負契約を締結する必要があります。

最後に、オペレーターを含まないリース契約とは別に同じ会社とオペレーターの労務費等の契約を締結した場合は各契約の合計額が請負金額に該当します。
 

Q20.許可の申請手数料はいくら?

兵庫県知事申請する場合ですと以下のとおりとなります。

1.新規       9万円
2.業種追加・更新  5万円
*複数の許可を同時に行う場合は組合せにより加算されます。

例1)業種追加申請と更新申請を同時に行う場合
10万円(5万円+5万円)

例2)一般建設業と特定建設業の更新申請を同時に行う場合
10万円(5万円+5万円)

例3)一般建設業の更新と特定建設業の新規申請を同時に行う場合
14万円(5万円+9万円)

*許可は一般建設業と特定建設業の別に区分して行われ、同時に1の建設業(業種)につ き一般建設業許可と特定建設業許可が重複することはありません。ただし、1の建設業者につき2以上の業種について、それぞれ一般建設業許可及び特定建設業許可を同時に取ることはできます。

以上が許可申請時の手数料となりますが行政書士に申請を依頼される場合は別途報酬が発生します。  報酬額はこちらから
              

Q21.経営業務の管理責任者に準ずる地位とは?

「経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験」とは、取締役会設置会社において、

・取締役会への決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として  
選任された

・かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮および命
令のもとに具体的な業務執行に専念した経験をいいます。(建設業許可事務ガイドラインより)

そしてこれに該当するかについては許可行政庁に認定調書に加え以下の書類をもって判断を仰ぐことになります。

・組織図等 → 取締役等に準ずる者として職制上の地位(取締役等の直下)にあること 
 の確認

・業務分掌規程等 → 業務執行を行う特定の事業部門が建設業に関する事業部門である
 ことの確認

・定款、執行役員規程、執行役員職務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規則、取締役 
 会議事録等 →
 取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を 
 受ける者としてされたこと、かつ取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従
 って、特有の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執
 行に専念するものであることの確認

・取締役会議事録、人事発令書等 → 執行役員等としての経営管理経験の期間を確認
 
以上審査によってはこれら以外の資料も求められます。
 
加えまして経営業務の管理責任者としての要件として5年間経験していることの資料として必要となります。 経営業務の管理責任者はこちらへ


 

Q22.建設業許可と請負金額500万円の関係は?

建設業法では軽微な建設工事のみを受注する場合、建設業許可は不要です。

では、軽微な建設工事とはどういうものかと言いますと、
1件の請負金額が500万円未満(500万円は含みません)、但し建築一式工事では1,500万円未満又は延べ床面積150㎡未満の木造住宅工事をいいます。

この500万円の金額の中身についてですが
・工事の完成を2以上の契約に分けて請け負う場合はその合計額となります。(しかし正
当な理由に基づく分割の場合は合算しませんが、建設業法適用を避けるためでないことが十分説明できる根拠が必要です。)

・材料が発注者から提供される場合はその材料費、その材料の運送費も含めます。
但し、元請業者からショベルカー等の機械設備が貸与された場合は建設工事の材料ではないので請負代金には含まれません。

・請負代金や材料に係る消費税、地方税は含みます。


 

Q23.専任技術者の実務経験とは?

専任技術者になるための要件は以下の通りです。
1.一定の資格を持っている。
2.指定学科を卒業したうえで実務経験を積んだ。
3.10年間の実務経験を有している。

この実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいい、ただ単に建設工事における現場の単なる雑務や事務作業の経験は経験年数に含まれませんが、建設工事

の発注にあたって設計技術者として設計に従事し、又は現場監督技術者として監督技術者として監督に従事した経験、土工及びその見習いに従事した経験等を含めて取扱うものとされます。

そしてその実務経験の期間は以下のように学歴によって分けられています。

実務経験
1. 10年
2. 3年 +大学・高等専門学校
3. 3年 +専門学校(高度専門士・専門士)
4. 5年 +専門学校(上記以外)
5. 5年 +高校
 いずれも建設系の学歴で種類により指定学科が定められています。
6.技士補・技士 1級1次検定合格(対応種目) 合格後3年以上の実務経験
        2級1次検定合格(対応種目) 合格後5年以上の実務経験
令和5年7月1日より技術検定1次検定合格者を高等学校、高専、大学の指定学科卒と同等とみなされることになりました。


国家資格者が専任技術者になるための要件
資格によって実務経験年数が0~5年に分かれます。
実務経験が不要な資格は、

・1,2級施工管理技士系資格
・1,2級木造建築士
・技術士
・技術検定1級等

なお、電気工事及び消防施設工事については、それぞれ電気工事士法、消防法等により
電気工事士免状及び消防設備士免状等の交付受けた者等でなければ、一定の工事に直接従事できないため免状等が無い者の経験期間は実務経験として認められません。

また、建設リサイクル法施行後の解体工事の経験は、土木工事業、建設工事業、とび・土工工事業もしくは解体工事業許可又は建設リサイクル法に基づく解体工事業登録で請負っ
たものに限り経験期間に参入されます。




 

Q24.他社の役員になっている人を経営業務の管理責任者にすることはできるの?

他社の役員でも経営業務の管理責任者にすることはできます。ただし以下の要件を満たさなければなりません。

1.他の建設会社で役員経験が5年または6年以上あること。
   5年—経営業務の管理責任者としての経験又はその経営業務の管理者に準ずる地位   
      にある者。
   6年—経営業務の管理者に準ずる地位にある者としてその補佐経験がある者。

2.常勤であること
勤務しない日を除き、一定の計画の下に毎日所定の時間、その職務に従事していることをいいます。
その確認として、
1)社会保険の加入状況
2)役員報酬が常勤に相応しい金額
3)毎日通勤が可能な通勤距離である。等

複数の会社に所属し、いずれも常勤であるということは認められません。

Q25.建設業法上の「営業所」としての要件は?

兵庫県の場合、
請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結等請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所をいい、契約書の名義人が当該事務所を代表するものであるか否かを問わない。とのみしか「建設業許可申請等の手引」には記載されていませんが、別途以下の確認資料の提出が必要です。

1.営業所として使用できることが明白な場合を除き、以下の資料が必要
 ●自社所有の場合
  ・不動産(家屋)登記簿謄本
  ・固定資産(家屋)評価証明書
  ・固定資産税納税通知書のいずれか

 ●賃貸の場合
  ・家屋の賃貸借契約書、使用貸借契約書、使用承諾書、賃借料領収書等
   尚、所有者もしくは貸主が、事業主、法人の役員、又はその親族の場合、使用承諾
   書等、所有権が確認できる書類を求められることがあります。

2.事業活動
 ●法人の場合
  ・法人市町民税納付領収書、法人事業税納税証明書
 ●個人の場合
  ・個人事業税納付済領収書、個人事業税納税証明書

3.営業所の写真
 ・営業所(外観・内部・看板等)の写真(必要に応じて、内部の平面図等)
  つまり電話、机、各種事務台帳等を備えた事務室等が設けられていること。
  自宅を営業所とする場合は居住部分とは明確に区分された事務室が設けられている必 
  要があります。


 

Q26.財産的基礎又は金銭的信用の500万円以上とは?

建設業許可要件の一つに「財産的基礎又は金銭的信用があること」(財産的基礎等)という要件があります。

一般建設業と特定建設業とではこの要件は異なってきますが、ここでは一般建設業について説明していきます。

一般建設業では以下の要件となります。
1.自己資本の額が500万円以上であること。
2.500万円以上の資金を調達する能力を有すること。
3.許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること。

1.の自己資本の額が500万円以上とは
法人の場合  
資本金が500万円以上という意味ではなく「純資産」としてです。これは資本金や剰余金等から構成されており、現金・預金・固定資産等の資産から入金等の負債を引いた金額です。直前期の確定申告時に提出した、決算書の「貸借対照表」の数字です。

個人の場合    
個人の場合、確定申告時の貸借対照表には「純資産」の科目はありません。期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額を言います。

なんだか難しそうな話ですが、貸借対照表をみれば一目瞭然ですので資料だけ準備下さい。

2.の500万円以上の資金を調達する能力を有することとは、銀行で発行する「預金残高証明書」に500万円以上の預金が記載されていれば、資金調達能力は認められます。

つまり、預金残高証明書の発行日に瞬間的に500万以上あればいいのです。
その手段として、親や友人から一時的に借りた、妻(夫)から一時的に借りたとしても

全く問題ありません。
ただし注意することが1点あります。

それは、預金残高証明書の日付は許可申請直前1ヶ月以内のものに限られますので
許可申請のタイミングをうまく見極めていく必要があります。

また、500万円以上の融資を間違いなく行いますという銀行発行の「融資証明書」も許可申請時に認められていますが、まず発行は厳しいと思っていたほうがいいです。

3.の許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有することとは
更新の際のことで、更新前5年間きちんと継続して営業していれば、500万円以上の基準は適用されません。